The Figure in the Carpet

短編小説を読んだから、その感想を書いた

アンブローズ・ビアス

アンブローズ・ビアス : 猫の船荷

概要 マルタ島を出航したメアリー・ジェイン号は大量のマルチーズ猫を積荷していた。送り状によれば猫の総数は127,000匹。猫たちはどさっと船倉に落とし込まれた。ある航海士が猫たちは喉が渇くだろうと大量の水をポンプで船倉に送り込んだ。そのため下積み…

アンブローズ・ビアス : 底なしの墓

概要 「ぼく」の父親が突然(健康だったのに)夕食後に死んだとき、母親は「私が手をくだしてこうなったわけではない」と子供たちの前で強調した。「もちろん、死んでよかったと思っているけど」。 しかし心配性の母親は、このような突然の神秘的な死の場合…

アンブローズ・ビアス : 哲学者パーカー・アダソン

概要 捕虜君、と南軍のクレイバリング将軍が呼んだ北軍のスパイはパーカー・アダソンと名乗った。将軍の尋問に対し、捕虜はこの場に相応しくないユーモアと機知に富んだ受け答えをする。敵軍のスパイなら、死罪になることは当然自覚しているはずなのに、だ。…

アンブローズ・ビアス : 豹の眼

概要なぜ結婚をしてくれないのか、とジェナー・ブレイディングはアイリーン・マーロウに訊く。私は正常な人間ではないから、とアイリーンは応える。私は異常をきたしているの、それは……。 アイリーンの告白を「筆者」が代わって書き記す。アイリーンの父親チ…

アンブローズ・ビアス : 良心の問題

概要 南北戦争の最中、北軍の駐屯地で南軍の密偵が拘束された。密偵の名前はドレーマー・ブルーン。その人物の正体を見破ったのは北軍のパロル・ハートロイ大尉だった。実はブルーンとハートロイ大尉の間には因縁めいた話があった。かつて北軍兵士としてそれ…

アンブローズ・ビアス : 板張りの窓

概要 かつてマーロックという男が森の奥深くにある丸太小屋に住んでいた。1830年代のアメリカで、西へ西へと危険や窮乏との出会いを果たしてきた者たちの一人だった。マーロックには東部で結婚した妻がいた。彼女も、夫と共に、危険と窮乏に、明るく元気に立…

アンブローズ・ビアス : ぼくの快心の殺人

概要 「ぼく」は母親を惨殺した。逮捕され、裁判に掛けられている。弁護士に従ってぼくは次のような陳述をした(そのおかげでぼくは無罪を獲得した)。 ぼくの父は追い剥ぎ業を営んでいた。事業は繁盛していた。ある日、巡回説教師がやってきて宿賃替わりに…

アンブローズ・ビアス : 犬油

概要 「ぼくはボファー・ビングズという男だが、少々卑しい稼業をしていた正直な両親の下に生まれた」。その「ぼく」が、父親と母親がどうして死んだのか、そしてどのように死んだのかを淡々を語る。淡々と。他人事のように。 ぼくの父親がやっていた卑しい…