The Figure in the Carpet

短編小説を読んだから、その感想を書いた

G・K・チェスタトン

G・K・チェスタトン : 恋人たちの指輪 ~ 『ポンド氏の逆説』より

概要 ポンド氏の友人ガヘガン大尉がクローム卿主催の晩餐会に招待された。このクローム卿の晩餐会は、クローム卿夫人主催のカクテル・パーティの後にその続きとして設定されたもので、数人の男性客のみが招待された。 晩餐会に招待された数名の男性客は「選…

G・K・チェスタトン : 名前を出せぬ男 ~ 『ポンド氏の逆説』より

概要 「私自身はブルジョワジーに属するから、政治にまだ距離を置いている。現在の状況で進むいかなる階級闘争にも加担したことがない。私には、プロレタリアートの抗議にも、資本主義の現在の局面にも共鳴する理由がない」 「おやおや」ポンド氏の眼に理解…

G・K・チェスタトン : 黙示録の三人の騎者 ~ 『ポンド氏の逆説』より

概要 私はポンド氏の中にも怪物がいることを知っていた。ほんの束の間表面に浮かび上がって、また沈んでしまう心の中の怪物たちが。それらは彼の穏やかで理性的な発言のさなかに、突拍子もない発言の形をとって現われた。彼がいとも正常な話をしている真っ際…

G・K・チェスタトン : 共産主義者の犯罪 ~ 『ブラウン神父の醜聞』より

概要創設が中世期まで遡る伝統あるマンディヴィル大学で二人の男性が殺された。二人はアメリカ人とドイツ人の資本家だった。二人は由緒あるマンディヴィル大学に経済学部を新設するために大学を訪れ、多額の寄付を申し出、学寮内を見学していたのだった。警…

G・K・チェスタトン : 孔雀の家 ~ 『詩人と狂人たち』より

概要 画家であり詩人であるガブリエル・ゲイルの注意を引いたのはロンドン郊外の住宅地にある家だった。家を覆うような山査子の茂みに芝生の庭があった。その庭には孔雀がいた。なぜ、孔雀がいるのか?田舎にある貴族の屋敷なら孔雀がいてもおかしくはない。…

G・K・チェスタトン : 黄色い鳥 ~ 『詩人と狂人たち』より

概要 なぜ、ロシア人の亡命科学者は下宿先の家の窓をすべて開けるのか? そのことについて医師ガースらが訝っているときに、画家であり詩人であるガブリエル・ゲイルはこう言い放つ。「君は二等辺三角形だったことがあるかい?」 感想その他 G・K・チェスタ…